今日、横浜にあるカップヌードルミュージアムに行ってきました。
わたし、神奈川県民なのですが行ったことが無く。
「行こうと思えばいつでも行けるし」
という気持ちがあってなかなか機会が無かったんですよ。
なんですが、長女にミュージアムの話をしたところ
「行ってみたい!!」というので
本日行ってまいりました。
ざっくり:カップヌードルミュージアムとは

日清の「カップヌードル」の博物館なのですが、(名前のとおり)
正式名称?別名?は「安藤百福発明記念館」と言います。
カップヌードルやチキンラーメンの生みの親であり日清食品創業者、安藤百福氏の
クリエイティブな思考に触れられる体験型ミュージアムです。
横浜に行ったことがある人なら、透明なバルーンみたいな袋に入ったカップラーメンを持ってる人を見たことありますよね?
あれです。
ブランディングの塊だった

ホントひと言でいうと
「ライト層向けのマーケティングの塊やん、これ」
という感じ。
もともとは、自分だけのカップヌードルをつくれる体験を目当てで行ったのですが、
そこまでの時間つぶしに入ったシアターがすごかった。
安藤百福の半生を紹介して、カップヌードルへの愛着をめちゃくちゃ自然に深められるんですよ。
もともと、カップヌードルって第一想起取れる感じの王道、しかも第一号だから強いんですけど
・事業に失敗して一文無しから、ふと闇市でラーメンに並ぶ人を見て「お湯があればすぐ食べられるラーメンを作ろう」となった話→感情がうごく
・麺を油で揚げることは、奥さんの天ぷらから思いついた→親近感
それ以外にも、アメリカの視察で、外人さんは箸と丼で麺を食べる習慣がない→カップにいれよう→カップラーメン
カップラーメンを増産するにあたり、カップに施した工夫とは
こういう感じの話が短編でボンボン説明されて。
子どもも楽しめるように語り口は軽く、そして重要なのが
キャッチフレーズを入れることで、印象付けるということ
正直、キャッチフレーズは色々あったけど
覚えてるのは
「逆転の発想」
これだけです。w
これは、揚げた麺をカップに入れると、ひっくり返ってしまったりうまく入らなかったりして困っていたのを
麺の上からカップをかぶせるようにすれば、うまくいく!→工場での量産に成功した、というエピソード。
思いつきとしては非常にすごいのですが、エピソードとしては弱い。
だけど、これもキャッチーなフレーズをつけることで、めちゃくちゃ強い印象を与えられる。
ちなみに、ミュージアム内には有料の子どもアスレチックもあって。
これのテーマは「麺になってカップヌードルになろう」みたいなやつ。
子どもたちは、
網を登って:麺が作られる感じ
ボールプールに入り:黄色・茶色・オレンジなどのボールで「味付け」をイメージ
滑り台で、油の鍋の中に投入!:プロジェクションマッピングで油の中を表現
「逆転の発想」でカップの中に詰められて:普通にカップの中を通るだけ
ちょっとしたタッチパネルのゲームがあり:これは普通に人気だった
最後、ローラー滑り台でダンボールのトンネルをくぐってゴール:出荷!
こういう感じ。
これもめちゃくちゃブランディングというか、普通のボーネル〇ドみたいなのとは全然違って
めちゃくちゃブランディング。
決まりを守って遊べるように、結構しっかりとスタッフさんがついてました。
しかも、未就園児は親同伴が条件で、親はスマホ含む全ての荷物を持ち込めない。
(外のロッカーに預ける)
結局、カップヌードルの世界に入って遊んじゃうんですよ親子で。
ホントよくできてました。
あと、よくできてると思ったのが。
フードコート。
「百福が通った麺ロード(シルクロード的な感じ)で出会った麺を紹介」みたいな感じで。
・パスタ(イタリア)
・ラグマン(カザフスタン)
・蘭州牛肉面 (中国)
・冷麺 (韓国)
・フォー (ベトナム)
・トムヤムクンヌードル (タイ)
などの麵料理を楽しめます。
でもこの中にシレッと「ミニチキンラーメン」がありまして。
8種類の具から2個を選んでオリジナルのチキンラーメンにできるんですよ。
娘たち二人は変わったものを食べたがらないので、
もちろんチキンラーメンをセレクト。
わたしは、蘭州牛肉面 (中国)にしたんですけど、

味は…普通。
マズくはないのですが、中華料理屋さんで出てきたらがっかりしちゃうレベル。
でもこれも、「名のあるラーメン屋さん」とかではなくて「あくまでも紹介」みたいな感じだから
別にディスブランディングにもならない。
しかも、ミニサイズで1杯500円という絶妙な価格設定なので
これもまた腹が立たない。
「まぁ、小腹満たしだね」程度で済むように設計されていると思うと、本当に凄いなぁと思いました。
結局は娘たちのチキンラーメンの満足感がすごかった。
今回ミュージアムの訪問・ビフォアアフタ

今回、特に娘たちにおいて顕著なのが
ミュージアムを訪れたことによって「カップヌードル」「チキンラーメン」が不動の地位を築いたということ。
これは、見ただけでもそうですが、見ただけだと忘れるのも早い。
そこで、自分で「オリジナルのカップヌードルを作った」という証拠物を持ち帰ったことで
かなり記憶への定着率がアップ。
その場だけでなく、家庭でもカップヌードルミュージアムを思い出せるんですから、ホントよくできてる。
ちなみに今回のお値段ですが、体験つきのチケットで大人1000円。安いですよね。
結局これも、「ブランディング」というオマケがつくから、ミュージアム単体での大儲けは期待していないのかな?と思ったりもします。
ライト層である親子連れに、どうアピールするか。
本当によく練られているなと、一流企業さんの力を目の当たりにした4月末でした。

今回思ったことは、「ブランディングって、やり方は一つじゃないんだな」ということ。
展示のなかにも、色々なブランディングのやりかたがありました。
・権威性(国からラーメン協会の設立を頼まれた)
・感情移入(無一文から~)
・意外性(カップにしたのはアメリカで~)
結局は、どんな方法でも「顧客の中に、『これはいいものだ』という気持ちを残せる」これが大事なのかなと。
もっとやり方は自由でいいし、「何がどうブランディングになるか」は色々。
ライターにおいてのブランディングも、本当に色々。
誰向けのブランディングなのかにもよりますが、
ちょっとヒントになったような気がしました。

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